この時、あたしは改めて尚実さんの母親としての想いを強く感じた。
甲斐くんにそうさせる程……心配だったんだろう。
「……このことについては、尚希様には黙っていて欲しい。
……もし誰かに言ったら……分かるよな?」
甲斐くんの初めて見る威圧にあたしは、ビクッと反応する。
もし言ったら何をされるか分からない。なんたってあの小野原財閥。
どんな手口を使われるかっ……!
コクコクと頷いているあたしの頭の中には、恐ろしい光景が浮かんでしまった。
さすが、小野原財閥!というか金持ちは考えることが恐ろしいっ……!!
しっかりと釘を刺されたあたしを見て甲斐くんは、「……約束だからな」そう言って新しいコーヒーを入れにキッチンに行った。

