あたしは、甲斐くんにそう言ってスッと離れた。
テーブルの上に置いてあったコーヒーは、もうすっかり冷めていた。
「……あたし本当、弱いね。
いつからこんな弱い女になったんだろ」
昔は……こんなに心が揺らいだこともなかったし、直ぐに泣いたりなんてしなかったし、誰かに頼ったりもしなかった。
やっぱり、これも尚希と出逢ったからなんだよね……
「……いいんじゃない?別に弱くたって。
人は、誰でも弱い。だからこそ誰かを守りたい、強くなりたいと思うから人は変われる」
……あたしは、強くなりたい。誰かを守れる強さを持ちたい。
あの日……あたしは、守れなかった。

