なんで、知ってーー ……あ、そうだ。尚希はテレビで報告したんだった。それなら甲斐君が知っていても当然だよね。 「甲斐君、あたしね……尚希に別れを切り出された。 それでね……逃げてきちゃった…っ………」 あたしは、甲斐君に涙声でそう言って地面に顔を向けた。 「……お前に話すことが、ある。 いずれ、話さなきゃいけないことだ」 「話す…こと?」 甲斐君は、そう言ってあたしの腕を掴み歩きだした。