尚希の大きくって広い背中をただ呆然と見つめる。
大好きだった大きくって広い背中。それが、今では他人の背中に見えてしまう。
尚希の愛しかった横顔も……他人に見える。
尚希は、うんざりした顔で「いつまでいんの。早く帰ってくんない?この後、麗子が来るんだよ」そう言ってあたしをチラッと見た。
あたしの目の前にいる、この人は一体……誰?
「つっ……」
あたしは、知らない。こんな人……
ガチャ……!
あたしは、尚希から逃げるように部屋を飛び出した。
ねぇ、尚希……
尚希は、どこに行ったの?
あたしの知っている……本当の尚希は、消えちゃった?
「ハァッ……ハァ…ッ……」
今日、見たアイツはあたしが知っている尚希じゃなかった。

