手で耳を塞ごうとしても尚希が、既に掴んでいたせいで塞ぎたくても出来なかった。
「……俺の前にその顔を見せるな」
尚希のその言葉で、暗い底に落ちたような感覚に襲われた。
それは、まるでー……
崖から突き落とされたような感覚だった。
「ねぇ……どうして?どうしてこうなっちゃったの。つい昨日まであんなに……愛し合ってたのに。
もう、あたし達…っ…戻れないの……?」
あたしは、流れる涙を隠すように離された腕で目を隠した。
「お前とは、もう縁を戻す気はない。
ささっと出て行け」
そう冷たく突き放して尚希は、ベッドから降り乱れた服を整える。

