「だけど、無理なんだ。俺は小野原財閥の一人息子。小野原財閥の継承者。
どんなに抗いてもそれは、変えられない。
俺は、小野原財閥を受け継ぐために生まれて来た運命なんだよ」
尚希が、抱えているもの……
それは、好きな人に裏切られたことによる恐怖。
世間からの好奇心な目や小野原財閥の継承者としての扱い。
父親からのプレッシャー。難病を抱える貧弱な母親。
まだ、あたしはこいつの全てを受け止めてはいないし理解もしてない。
確かにこいつは、そう言う家系に生まれて来た。
それに、小野原財閥には継承者が尚希一人。こいつ以外の他に継承者がいれば免れたかもしれない。

