ママは、何度も何度も深く頭を下げて先生に謝っていた。
そんな光景を見てあたしは、悔しかった。
悪いのは、ママじゃなくって全部……アイツらなのに………
どうして、ママが謝るの??
先生に頭を深く下げて謝るママを見て何度も……そう思った。
「………ねぇ、ママ………
捺海のお家は…家庭崩壊のお家なの?」
あたしは、手を繋いで歩いているママを見上げた。
そんな、あたしの質問に驚いた表情を見せる。
(捺海……どこで、そんな言葉を……)
ママが、驚くのも当然だ。
まだ、五歳の幼いあたしが家庭崩壊だなんて難しい言葉をさらりと口にしたのだから。
「ねぇ、ママ……!!」
近所の人達が、言っていた。
あそこの家は、家庭崩壊家だと。
だけど、まだ幼いあたしにとって……
それは、どんな意味なのか分からなかった。
だから、あたしは先生に聞いた。
家庭崩壊の意味を……
ママは、あたしを見つめながらゆっくりと腰を下ろした。

