あたしに殴られている男の口の中は、切れ小さな唇からは赤い血が滲んでいた。
そして、あたしと一緒に遊んでいた女は腰を抜かし震えながら男を殴り続けるあたしを見ていた。
「……許さない…ママを馬鹿にするなんてぇ………!!」
殴っていた握り拳を高く上げ振り下ろそうとした瞬間ー……
ガシッ……!!
(捺海ちゃん、やめなさいっ!!
何してるの……!)
男に殴ろうとした腕を先生に掴まれ大声で言われた瞬間……あたしは、ハッとした。
「あっ…………」
我に返ったあたしは、腕を掴んでいる先生の顔を見た。
先生は、男を殴っていたあたしを見て怯えているかのように見えた。
そんな先生の表情をジッと見つめていると……
あたしは、自分の握り拳に違和感を感じた。

