顔を見なくっても声で分かる。







この人、あたしの反応を楽しんでいます。









クソォ……!!




この、ドS野郎が!!






そんなことを思っていると突然、あたしの腕が掴まれた。







そして、気付けばあたしは最低男の腕の中にいた。








「ちょっ!?」







密着していて最低男の体温と甘い香りが伝わり、あたしのドキドキが加速する。









「離さねぇーからな。



お前が、俺の顔を見て言えたら離してやるよ。」







ふざけるなぁーーーーー!!!!!






さっさと、腕を離せ!!





そして、耳に顔を近づけるな!!







でもっ、このままコイツに抱き締められるのも…………







ってぇ!!




あたし何考えてんの!?





 
何、良いかもって一瞬思ってるの!?







駄目だ、捺海!!






ここは、名前を呼んでこの最低男の腕から解放されるのだっ!!








そう、自分に言い聞かせてあたしはゆっくりと俯いていた顔を上げて最低男を見た。









「なっ、なお……き………//////////////」







最低男の視線と、あたしの視線が絡み合う。






あぁ、穴があったら今ずくに入りたい!!!!