捺海の事故から、あれから数週間が過ぎた。







捺海の頭や頬に着いていた包帯やガーゼは、取れいつもと変わらない日を過ごしている。







そして、捺海を狙ったと思われる犯人の正体は掴めないまま……







今の所、そいつの動きはなし。







それを知った、俺は少しホッとした。






けど、だからと言って油断は出来ない。





まだまだ、油断は禁物。






そして、12月も……そろそろ終わりを迎える日になった。








(………き……尚希、聞いてる?)







「あ?


あぁ……」





突然、名前を呼ばれてハッとする。







(ちゃんと聞いてないと駄目だろ?


今日は、イベントの企画を考えないといけないんだから)







ため息をついて呆れた表情をする春綺。







(捺海のことだろ……どうせ……)







甲斐は、無表情のまま口にした。







コイツ、何で俺の考えてること分かんだよ。






(あー、きっと、捺海ちゃんにあげるクリスマスプレゼントでも考えたんじゃね?)






ニヤニヤと気持ち悪い表情を浮かべる徹夜。