あたしを逃がさないように強く抱き締める尚希。
「お前さっ、強がんのやめろよ」
「別に強がってなんか……」
強がってる?
あたしが??
…………別に強がってなんかいない。
尚希には、強がってる風に見えてるかもしれないけど……あたしにとって……これは、強がりではない。
これが、普通なんだ。
「強がってる、お前は。
ったくー………そんな強がって気持ちを溜め込んでると………」
「溜めてると?」
顔を上げて尚希を見ると、不機嫌な表情は消えて真剣な表情をしていた。
「顔のシワが、増えんぞ」
そう言って、オデコに指を指す尚希。
…………しっ、シワ!?
「ハァッ!?
何、シワって!!
あたしは、まだピチピチの17歳だ!!」
コイツ、失礼だ!!
失礼過ぎる!!
女に、んなこと言えるとか……お前まじでホストかぁ!?
No.1か!?
「フンッ、やっと、いつものお前に戻ったな」