「じゃ、じゃあ………」
春綺君は、あたしを見てニッコリと微笑み言った。
(ごめんね、迷惑かけて)
春綺君のニッコリと微笑んだ表情は……
あの日に見せた……あの表情では、なかった。
今、あたしの目の前にいる春綺君は……
いつもと変わらない……いつと通りの優しい笑顔だった。
そんな春綺君を見てズキッと胸が、痛んだ。
何で……春綺君が、謝るの?
春綺君は、何も悪くないじゃん。
「そんなことないよ、あたしこそごめんね……それに、見苦しい物を見せてしまって……(笑)」
苦笑いをすると、春綺君は長い足を綺麗に組む。
(それに……アイツじゃなくって、もう尚希♥って呼んでるしね)
ちょっと待ったぁ!?
「確かに、名前で呼ぶようになったけど……でも、ハートなんか付けてない!」
そんなことを言われて思わず大声を出してしまう。
そんなあたしを見て、おかしそうにクスクスと笑う春綺君。
「冗談だよ」

