だんだんと高瀬くんの顔が少し遠ざかる
唇にほんの少しの違和感
今、唇に何かが…
その時高瀬くんの唇が目に入る
その唇は程よい色つきで形もいい
まさか、まさか……
「……しちゃった、よ」
意地悪く言う高瀬くん。
でもなんだか楽しそうで、少し口角が上がっている
「っ!!」
しちゃった!?
ほんの一瞬の出来事
だけどとても重要な一瞬で、言わば私のファーストキスは今さっき終わったばかりで。
そして相手は高瀬くん。
「顔、さっきより赤い」
優しく頬を撫でる高瀬くん
指先から熱が伝わり、顔はもう沸騰状態
「嫌、だった?」
嫌?
ううん
嫌じゃない
ふるふると顔を横に振る
高瀬くんはそれを見て、良かったと微笑む
初めてのキスは高瀬くん。
こんな嬉しい事があってもいいのかな
たぶんきっとこの先の初めても
全部、全部高瀬くんだ。
でも高瀬くんとの初めてだったら
何でもいい。
むしろ幸せすぎる
、

