すっと、私の耳に髪をかける
それはあまりにも優しすぎて
まるで壊れそうな物を扱うかのような優しさ
高瀬くんが私に触れる度
ドキドキ胸の音が鳴る。
顔も比例してどんどん熱くなる
私きっと顔真っ赤だ
鏡見なくても絶対赤いよ
「俺実は橋下さんから名前聞く前から名前知ってた」
「えっ!?」
「橋下さんと1年の時同じクラスだった奴に聞いたから」
うそ…
高瀬くんが私のことを知ってたなんて
「でも初めて話した時俺が橋下さんのこと知ってたら可笑しいかなって思って名前聞いた」
ごめんねと高瀬くんは謝る
それに小さく横に首を振って答える
嬉しい。
高瀬くんが私に興味持っててくれてただけで嬉しい
「初めて話した時も実は内心バクバクだった。あれでも俺緊張してたんだ」
初めて話した時―
私も内心バクバクで緊張してて
おまけに寝顔見られちゃったし
「文化祭の準備の買い出し一緒について行ったときもすげえチャンスだって思った。橋下さんと話せるって」
あの日は高瀬くんとたくさん話した。
すごく嬉しかったし、楽しかった
「部活の練習の見学誘った時も緊張MAXで、いつ見に来てくれるかなって練習中もあんまり集中出来なかったけど来てくれたときはテンション上がった」
文化祭、一緒に回ろうって誘われた日
いつもは少しだけ見て帰ってたけど、高瀬くんが私の名前を呼んでくれた時は本当に幸せだった
たくさん女の子がいる中、
私の名前だけを呼んで来てくれた
今までだったら有り得ないことだったし
不思議な気持ちだったな
、

