高瀬くんはふうーと息を整えて近くにあるイスに座る
そして少しの沈黙
高瀬くんに連れられるままここに来ちゃったけど
私昨日高瀬くんの約束破ったんだ
どうしよう
謝ったほうがいいよね
「昨日は「ごめん」
「へ?」
私が言いたかったことを先に高瀬くんに言われてしまった
「さっき早く助けてあげれなくてごめん」
私が男に絡まれた時の事?
でもそれは高瀬くんが悪いわけじゃないし
逆に高瀬くんが来てくれたことが奇跡なぐらい
それに
「私がちゃんと嫌って言えなかったのが悪いから高瀬くんが謝る必要はないよ」
男の誘いにのったのはあやねちゃん。
でも私も悪いんだ
あやねちゃんに嫌だって言えなかった私が悪い
男にやめてって言えなかった私が悪い
だから高瀬くんは謝らないで
「でも俺が早く助けてあげたかった」
真っすぐ高瀬くんは私を見る
恥ずかしくて目をそらしたかったけど
高瀬くんは視線で私を離さない
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