カチッコチッカチッコチッ
時計を見ると体育館ではもう練習が始まってる時間だった
「あっあやねちゃん」
「あっ!ごめんねっ時間取らせちゃって!もう練習してる時間だよね?」
「……」
こくっと頷くとあやねちゃんは鞄を持つ
「じゃあ私も帰るね」
「あ、うん…」
「どーしたの?浮かない顔して」
「あー…いやー」
だってあやねちゃんは私があやねちゃんに嘘ついて体育館に行ってた事も攻めないし
何で体育館に行ってることも聞いてこない
私だったら怒っちゃうし、絶対聞いちゃう
「あやねちゃんは聞かないの?私に」
「何を?」
「私が…体育館に行ってる理由」
「あー……別に聞かないよ」
「え?」
あやねちゃんはにこにこしながら歩きだす
結んだポニーテールが揺れて可愛い
「だってゆきちゃんから言ってもらわないと意味ないでしょ?」
「私から?」
「うん。ゆきちゃんが話たいと思ったら話してくれれば良いと思ってる。だからそれまで私は待ってる」
にこっと笑うとあやねちゃんはばいばーいと手を振って帰ってしまった
私もばいばいと力なく振り返す

