「…………」

「…………」



痛い程の沈黙

そりゃそうだ


お互い話したのも今が初めてなんだから
話すことなんてないよね……




「あ、じゃあ私行くね!」


そう言ってその場から離れようとした

きっとこれが高瀬くんと話すのは最初で最後だよね……


ああ、でも人生で高瀬くんと話せて良かったよ



「まっ待って!」

「え?」


ぐいっと腕を掴まれる




え、えええええ!?

私今、高瀬くんに腕掴まれてる!

そんな、バカな!



「あのさ、クラスと名前教えてくれない?」


「へ!?ああああ、1組の橋下ゆきです…」

「ありがとう。あ、俺は8組の高瀬裕哉。よろしく」

「よ、よろしくお願いしますっ」


よろしくって…

な、何がよろしく何だろう

だって、きっと
もうこの先高瀬くんとの接点なんてきっとないのに…



「じゃあ、また!気をつけて帰ってね」

「あ、うん。ばいばい」


お互い軽く手を振り合うと高瀬くんは走って帰ってしまった