「優也君ファイト〜!!」


私は思いっきり声を上げて手を振った。


「美華…坂田が困ってるじゃない」

「えっ」

少し戸惑って優也君は頭を下げた。

「でも、応援するって言ったからには応援しないと!!」


てか今のは困ってるっていうより照れだったような…

「はいはい」

「うっす!!」

気のせいかな…?

私は優也君をじーっと見た…


瞬間


バン―!



―おぉ!!

『1組目がスタートしました』

始まった!!


速っ!!

私の前を

ビュンッ

と次々に通り過ぎていく。

『1コースと3コースの2人が競り合っています』


「皆頑張れ〜!!」

ババンッ

もう終わり!?

『ゴールしました。1位、3コース。2位、1コース。3位4コースです。』


100m走ってあっという間だぁ。



久しぶりにこんな感覚を味わったような気がする。



「ちょっと今年はハイレベルね…」
愛が唖然としている。

「そうだね〜」

うんうんと頷いた。