「僕は…」


「うん」


「人に近づかれたりすると顔が赤くなってしまうんです…」


優也君はズボンをギュ〜っと握りしめた。


ン?


赤くなる?


私達はポカンと口を開けている。

「皆さん、どうしましたか…?」


はっ

ボーっとしてた。


「お前、それ本当?」


「すいません。信じられませんよね…」



優也君

暗くならないで…

私ね…

「ううん、そんなことない。信じるよ」


「えっ」

皆が一斉に私を見る。

「信じる」


私は優也君の目を見た。

そらせないように。

私が近づいた時、下を向いたのは、クラスの皆に冷たい言葉をいったのは


人が嫌いだからじゃなかった。


良かった…。

優也君。


ドクン
ドクン…


心臓が高鳴る。



この高鳴りが何かは分からないけど…

心から

『信じたい』

と思った。