「あのっこれ!!」

「えっ?」

走って私に近づく優也君の手には


青色で柄のない折り畳み傘があった。


「どうぞこれ使って下さい。自転車に乗ったままではさしにくいかもしれませんが…」


「いや悪いよ」

「大丈夫です。気にしないで下さい」

「でも…優也君が雨に濡れちゃう」
風邪をひかせてしまったら悪いし…

「あっそれは大丈夫です」


「えっ?」

大丈夫?


「もう一本予備に持ってますから」