「斎藤、痛いよ」
小さく文句を漏らせば「あ、ごめん。」と手をはなす。
「で、どうするの」
元々デートする気だったけどどこに行くとかは決めてない。
「あれ、仕事はいいの?」
無理矢理連れてきたくせに何言ってんだか。
「チャチャチャーっとやってくれるんでしょ?」
皮肉まじりに言い放つ。
それを聞いてなんだか嬉しそうに
「任せとけ!」
とポンと胸を打つ斎藤。
「バイクの後ろ、どうぞ」
駐輪場でシルバーの自転車を指差す。
「バイクっていうか、自転車じゃん」
ぶはっと吹き出す。
そして自転車の後ろにまたぐ。
「出発ー!」
グンと引っ張られるような感覚になり慌てて斎藤の腰にしがみつく。
斎藤のにおいがする…
ふわっと柔らかな香りがして背中に顔をうずめる。
「あ、浜野の香りー」
斎藤も同じ事を考えたのかそんな事をいう。
「…変態。」
自分のことは棚あげ。
