紅蓮の鬼



「ま、淋だからねー。こいつに常識なんて通じねーよ」


笑いながら、ワタシの頭に手を乗せて言う空木。


「うわ、マジか…」


げんなりして楓太が言う。


「淋って俺らの色緋の長だから、この前も鬼老院(きろういん)っていう年寄りのお偉いさん方と食事したんだけど、」


「お前、本当に長だったんだ!!?」


空木の言葉を遮って楓太がデカい声でワタシに言う。


「嘘言ってどうする、馬鹿」


ワタシは冷たい目で楓太を見る。


「お、おぉぅ…すまんスマン」