「では、行くぞ」 「おぅよッッ」 南が言うと同時か否かの刹那。 2人は地面を蹴る。 ワタシは南の喉元を狙って素手で突く。 南はパシンとワタシの手をはたいて軌道を逸らす。 ワタシはすかさず頭に蹴りを入れようとする。 南はヒョイとかわす。 ワタシははたかれた手を地面についてガラ空きになっている腹に蹴りを入れる。 入ったと思ったが、南の両腕によりガードされていた。 「!」 ついでにワタシの足をつかんでいる。 ――なんて器用な