紅蓮の鬼



そして駒繋はそそくさと里に帰っていく。


「……お前、駒繋に何やったんだよ」


ふと思った疑問を口にしてみる。


「こうしただけだが?」


淋はいきなり俺の脇腹を狙って素手で突いてくる。


俺は咄嗟に受け流す。


「な…なにやってんだよ!!?危ねーじゃねぇかっ!!!」


「お前を鍛える、そう言ったはずだが」


淋は表情ひとつ変えずに言う。


……なるほど。


もう始まってんのか。