「寝顔はいつ見ても綺麗だよな、全く」
知らない声がした。
「あぁ、来たの?劉月」
イチイさんがこちらを向かずに、飛んでくる銃弾とか槍とかをヒョイヒョイかわしながら、言う。
――…うわぁ、スゲエ
「…………………」
「全然そそられないな」
声がした方を見ると、髪の短い……というよりボウズの男がいた。
劉月さんはフゥ…と目を伏せて息をつく。
「彼女に触っちゃダメだよ、劉月」
柔らかく、言う。
「……俺の名を言うな。つか、触ってねぇ」
劉月さんはそう言い、悪態を吐く。
「てか、オマエ力強すぎんだろ。こっち(劉月っていう偽名)でも体が言うこと聞かなくなることあるんだし」
「そう?」
イチイさんはふわりと微笑む。
「…………………」
「…………………」
――あんたらなんでそんなに暢気に話してんだ
「…………………」
「…………………」
そして俺らはその話にどうリアクションをすればいいのか分からない。


