「コホッケホ」


誰かが咳をしている。


その方を見ると、何かに目を奪われている空木がいた。


彼が見ているのは、さっき靡いていた黒と赤いもの。


俺は空木の状態を見て、少し安心した。


どうやら俺の予想は外れたらしい。


発電所みたいな場所に彼女たちをおびき寄せて、程よい距離になったら、人間が発電所から出てきて鬼を襲う。


彼女たちには人間の匂いが分からないから。


不意を突いて、殺される。


っていう俺の予想。