紅蓮の鬼



――全く、厄介なものを…


ワタシは内心毒づく。


刈人というのは、悪魔払い師のような人間。


悪い魂を刈る人間。


故に刈人。


人間が死して魂が成仏せずに彷徨った結果、その魂が悪霊と化して、魂が見える人間を襲う。


その悪霊を倒すのが刈人だ。


因みに、魂が見える人間は滅多にいない。


それなのに、彼らは何故か生きている我等を悪霊の親玉として考えている。


大抵、刈人は幼い時に両親を亡くした子供が多い。


そして両親は悪霊の所為で死んだのだと言い聞かせられて育つ。


鬼を刈る時、何の躊躇もなく殺せるように。


刈人曰く、鬼がいるから悪霊が生まれるのだとか、なんとか…。


まぁ、これは父様から聞いたことだが。


全く。


よう分からん。


ワタシたちは生きているというのに。