紅蓮の鬼



「俺はヴァンパイアだよ」


そう言って、人間がビビりそうな、とびきりの不気味な笑みを浮かべて牙を出す。


怖がらせて、どっかに行かす予定だったけど、無理だった。


「へー」


「…………………」


男はそう言って酒を飲む。


――あ、効いてない


「じゃぁ、成敗してくれるー」


気怠そうに言いながら、ゴソゴソと十字架のネックレスを取り出し、俺の方にポイッと投げる。


「………くれんの?」


受け取った俺はキョトンとする。


すると男もキョトンと、目を点にした。


「……いや、ほらヴァンパイアって十字架に弱いじゃん」


「人間の想像だろ」


実際、俺らの世界でも十字架ってあるし、アクセサリーとして出回ってるし。