紅蓮の鬼



「………………」


ワタシは目を点にした。


「何故ここに…」


「なんでって…うちの姐サン、助ける為」


最後に (`・ω・)キリッ がつきそうなほど、キリッとした表情を見せる少年が言った。


「紫苑様から聞きました」


壮年の男が「要のことも、姐サンが寝込んでいた理由も」と付け足す。


「…………………」


――……空木が…


ワタシは少し苦笑した。


「混血だと卑しめられている俺らを、どこにも相手にされない俺らを色緋に置いてくれたんだ」


青年が掌を見る。


彼は「恩を仇で返す真似はしたくない」と付け足し、「それに、」と続ける。


「俺らは姐サンが率いる色緋の鬼だ。嫌だと言っても地獄の底までついて行きます」


彼はそう言い、ほくそ笑んだ。