紅蓮の鬼



シュゥゥウウという、容器の小さな穴から出ていく空気のような音が聞こえる。


視界は白い煙でよく見えない。


駒繋が創りだした氷を蒸気に変えているようだ。


「……結局、こうなるか…」


息を吐いて、ワタシはポツリと呟いた。


「……どうします?姐サン」


駒繋がワタシの顔色を伺うように聞く。


「外にかなりの人数がいるようですけど」


さっきの銃声を聞きつけたのだろう。


このドアの外には人間がいる。


「………………」


ワタシは腕を組んだ。


「……面倒くさいな…」


さて、どうしたものか…と思っていると、ドアの方から声がした。


「ぁぐッ!!?」


「何モンだあんたらっ!!?」


「ぐぇっ!!?」


というような、外にいる人間が正体が分からぬ者に攻撃を受けているようだった。


――…何なんだ


ワタシは駒繋と顔を見合わせた。