紅蓮の鬼



「……何をしている…駒繋」


ワタシの目が揺らぐ。


男はゆっくりと銃をワタシの額に突き付けた。


「駒繋?変な名前だな」


男はハッと鼻で笑って、嘲弄するような視線をワタシに向けた。


「彼は田中次郎だよ。僕の部下さ」


男はニヤリと口角を上げて、余裕そうに言う。


「…ぶ、か……?」


――馬鹿な


ワタシは目を見開く。


――彼は色緋に100年はいるのだぞ


人間なら老いている筈…。


――何故?


そこであることが脳裏に浮かぶ。


――……混血?


人間と鬼の、混血?


…半鬼(ハンキ)……?


ワタシの頬を汗が伝っていく。


――青い目は?


「君が死ねば全て思い通りなんだよ」


男が高らかに哄笑しながら言い、パァンッッという音が鳴り響いた。