紅蓮の鬼



「まぁ、そんな感じに口外できなくなるってわけだ」


松谷はそう言い目を伏せた。


「まぁ…それが裏目に出て、我らと関わっていることがバレるんだがな……」


そう言った松谷の声は切なそうだった。


「…松谷……」


俺はつぶやいていた。


「あ、」


松谷がふと俺の方を見る。


「〝淋〟でいい」


「…りん?」


俺はキョトンとする。


え、淋って松谷の下の名前じゃん。


「ここで〝松谷〟と呼ぶ者は少ない。なんなら〝姐さん〟でも構わないが?」


フンっと鼻で笑う。


うーわ、すっげー見下されとる。