紅蓮の鬼



「……驕らないほうが身のためだと思うんだがな…」


ワタシは男にそう言い、立ち上がった。


――どうせ、それがなければ何もできないことだろうし


「………………」


男は屈しないワタシが気に入らないらしく、睨みつけていた。


「………………」


「………………」


暫くにらみ合いになった後、男は息を吐いて目を逸らした。


「……気が変わった…」


男は静かにそう言い、銃を持ったまま腕を組む。


「この女は僕が処理して、鬼を戦線に立たす」


「!!?」


ワタシは目を見開き、男は駒繋を見る。


「押さえとけ」


そんな言葉が吐き捨てられた。


彼の行動は速かった。


バッとワタシを羽交い絞めにして、彼は「申し訳ございません」とワタシだけに聞こえるように呟いた。