ワタシが初めて人間に奇襲を受けてから二十三日後。
つまり色緋の男と話をした次の日。
この日は人間が言った一週間という期限の日。
ワタシと空木、楓太の三人は結論を言うために人間の元へ行こうという話になり、この里を出ようとしていた。
もう結論は出ている。
「再度言っておくが、万が一n」
「あぁぁあくどいくどい」
ワタシが言おうとすると、飛屋久が手を横に振ってワタシの言葉を遮る。
「ちゃんと分かってるから」
彼はそう言い、少し微笑む。
「じゃぁ、アタシは人間が呆れて帰るくらいの幻覚創りなさいよって、イヴァルに言っとくわ」
彼女は楓太にそう言い、腕を組んだ。
「…相変わらず鬼畜だな……」
楓太はそう言い、困ったように笑う。
そしてワタシたち鳥鬼の里を出た。


