「姐さーん!!!」
俺と淋の間に、このクソ気まずいような微妙……というか、重苦しい空気が流れているのに、暢気で嬉しそうな空木の声が聞こえた。
声がした方を見ると、空木はすっごい嬉しそうな顔をしてて、彼は誰か男の腕をつかんでこっちに来ていた。
「姫様をお連れしましたっ」
『ジャーンッ』
まさにそんな効果音がピッタリ。
「……………」
俺は〝姫様〟と呼ばれた男を凝視する。
ふと淋を見ると、苦笑して、懐かしいものを見るような目で空木達を見ていた。
「だから、その呼び方はヤメロって言ってんだろ」
女というより、男と言った方がいいかもしれない。
そんなことを思わせる声だった。
――うん、やっぱ男だ
「アイタっ」
ベシッという音と、空木の声がした。
「姫様、はしたないですよ」
それをきいた淋は、笑を堪えながら言う。
「お前らなぁ…」
呆れたように〝姫様〟が言った。


