紅蓮の鬼



――きっと、彼女を失うことになる


「嫌だ。死んでも放さねー」


なんとなく、そんな気がした。


「…誰が……護るのだ…」


淋が俺の胸を殴る。


それでも俺は彼女を行かせるわけにはいかない。


「……おまえは死んじゃいけねーんだ」


ボソリと呟く俺を見て、淋は眉間にシワを寄せた。


「じゃぁ、誰が護る?」


「知るか」


俺は「テメェで護れ」という言葉をなんとかノドの部分で引きとめた。


今言ったらヤベェ、やべぇ。


「……俺の目に映っている竜胆は大丈夫に見えねぇ」


「………………」


淋が「また振出しに戻るのか」と、呆れた表情を浮かべる。


「つーか、重傷、休め、寝ろ」


「…ワタシが大丈夫だと言っている。問題ない」


「面倒くさい」


彼女はそう言っているようだった。