紅蓮の鬼



「ワタシは大丈夫だ…」


淋はそう言うけど、大丈夫なはずがない。


見たところ、壁を伝ってやっとこさ歩ける状態っぽかったし。


顔色悪いし。


少し息は切れてるし。


「嘘」


俺がそう言うも、彼女はまるで「平気だ」と言うように、スタスタフツーに歩いてと玄関に行く。


「休めよ、淋」


彼女の息はさっきより少々荒く、動けば動くほど傷口から血が出ているのが見える。


俺は淋の腕を掴んだ。


想像した通り、彼女は怪訝な顔をして俺を見る。


「……………」


「…休めよ、淋」


その彼女の目はとても冷たかった。


「放せ」


「ヤだね。休めっての」


――もし、今のままの状態で淋を行かせたら


「……放せ」


「放さない」


淋は苦虫を噛み潰したような表情を俺に向ける。


「…………ワタシは…!!!」


彼女は少し震えていた


「……て……と…めたのだ…」


「………」


「すべて護ると決めたのだ!放せ!」


そう言う彼女の顔は、ひどく悲しんでいるようだった。