紅蓮の鬼



っていうのは、イヴァルの幻覚で。


多分これは、人間がここに来るっていう情報を鴉から聞いた空木が、イヴァルに頼んで、彼が創ったカムフラージュ。


「………………」


長時間の幻覚を見せるなんて、並大抵じゃない精神力が必要なはずだ。


そう考えるとイヴァルはスゴイ奴なんだけど、なんであんな扱いかなぁ…。


そんなことを考えて、俺は苦笑した。


指輪を外して、俺は一つの大きな家屋に入った。


中に入ると思った通り、空木がいた。


彼は淋を見て一瞬驚いた顔をして、困ったような、でも、嬉しいような。


懐かしいものを見るような表情をした。


「水陰様」


空木が呼ぶと奥から、最初、俺らがこの里に入る前に脅した男が出てきた。