紅蓮の鬼




「浮かない顔してるわね」


頭を冷やして………っていうか、外でぼんやりしていると、ポーン姉さんが言った。


今日は朧月だった。


「……イヴァルは?」


「梔子って人と手合わせしてるわ」


「…………………」


「…………………」


ポーン姉さんがふぅっと息をはいた。


「……なんか、あった?」


「安心しなさいな、何もないわよ」


ポーン姉さんは女みたいに、綺麗に微笑んだ。


「…そっか……」


なんとなく、俺は眉を下げた。


「アンタこそなんかあったの?」


「……大したことじゃねぇよ」


「あら、そ」


ポーン姉さんはクスクスと笑った。


「大方、女を泣かせたんでしょ」


「!!?」


「なんで知ってんだ!!?」とばかりに、俺は勢いよくポーン姉さんの方を振り返る。


俺と目が合ったポーン姉さんは、ニヤリと口角を上げた。


ボフンッと顔が赤くなる。


「アンタが凹んでんのは大抵、女を泣かせた時とおやつが食べれなかった時よ」


――なんで知ってんだ!!!


「気にすることないわよ」


俺のことなんて放っておいて、ポーン姉さんは言う。


「勝手に泣かせときなさい」


「……………………」


「泣かせてスッキリさせときなさいよ。そして、いつもどうりに接するの」


「……………………」


「そしたらその子もフツーに接するわよ」


そしてポーン姉さんは「女ってものはそんなものよ」と、つけ足した。


俺は女心なんて興味なんてないし、知ろうとも思わないけど。


「………アンタ女じゃn」


「なんか言ったか、あぁ゛ん?」


「何もないっす」