家屋に入ると、だいぶ前に俺と淋と桔梗が泊まった場所のような感じだった。
「で、何が起こってんの?ここはどこ?アタシは誰?」
引き戸を閉めてポーン姉さんが言う。
「………………」
サラッとボケをかましたが、敢えて放っておこう。
イヴァルも笑ってないし。
「さっきも歩きながら言ったけど、」
俺は胡座をかく。
「ここ最近、人間が武力を欲しているのは知ってるよね」
ポーン姉さんは頷く。
理由までは知らないけど、二年前に人間が俺らの世界に来たのだって話を聞けば、そういうことだった。
このことは、俺が直接魔王から聞いた話。
半ば愚痴だったけどね。
彼は丁寧に断ったけど、それが気に食わなかった人間は俺らの世界を滅茶苦茶に壊し始めたりしてきた。
そんな行動に激怒した魔王は、俺らの世界にいる人間やそれに関する物を消した。
魔法族だったからできる技だ。
「俺らの世界には手が出せないから、鬼に目をつけたってところだろ」
俺がふぅ…と息を吐いた。
「…え……鬼…?」
イヴァルが目を点にする。
「……あれ?話してなかったけ?」


