「臓器…持ってかれるぞ」
息がしにくい中、言えたのはそれだけだった。
「臓器くらいくれてやらぁ」
彼はそう吐き捨て、尚もワタシの銃弾を抜く。
「……っ…」
ワタシは下唇をかむ。
良いわけが無い。
ワタシが人間の世界に行った時からすでに四十年は経っている。
おそらく奴らは進化した科学技術で、そいつから奪った体の一部からそいつのコピーを創りだす。
もしかしたら、そのコピーを増殖、強化させることも簡単にやってのけてしまうかもしれない。
あの男はワタシのを取り出した後、あと三人だと言っていた。
それは恐らく支柱鬼だ。
万が一、支柱鬼のコピーができたら鬼は終わりだ。
勝機が無い。
――クソッ
汗が頬を伝う。
尚も水陰は続け、近づいてくる奴らはかなり近くに来ていた。


