「てか竜胆、何でもっと早く起きなかったんだよ」 急に水陰がムスッとした表情を浮かべて、腕を組む。 「え…?」 「竜胆のことだからさ、あんなケガしてたけど一日、二日で起きると思ったら全然起きないし」 ワタシは瞬きを繰り返す。 「空木が、竜胆の帰りが遅すぎるから何かあったのかって小鬼を走らせてたし」 水陰が鼻を鳴らし、さらに仏頂面をする。 「会議の続き出来ないし」 チラリと彼がワタシを見る。 「竜胆いないとダメだね。いろいろ困る」 彼はそう言って苦笑した。