飛屋久の里を出て、歩く。 「今回ばかりは鬼の生命力に感謝せざるを得んな…」 ポツリと、言葉をこぼす。 手を自分の胸に置くと、規則正しい鼓動がする。 「無茶するから、竜胆は」 水陰は困ったように言い、息を吐いた。 「まぁ、無事で何より」 彼はワタシを見て微笑む。 「あぁ」