紅蓮の鬼




晩食をすませて、俺の部屋に戻って行っている時だった。


「不思議だ」


ふと、淋が呟いた。


「ここの匂いが懐かしい」


淋はそう言って、大きく息を吸った。


「遺伝子が懐かしがってんじゃね?」


俺はおどけて言ってみる。


「……………」


けど淋は、「なに言ってんだお前?」とでも言いたげな顔をする。


――……………


あれ…?


淋の顔つきからして、失言だったっぽい。