そして、俺らが一つのデカイ屋敷にたどり着いたのは、月が出てきた頃だった。 「でかいな」 淋が俺の家を見上げて言った。 「ここらへんの地主みたいなモンだからな」 そう言って、俺はふと、淋をマジマジと見る。 「………………」 淋ってこんなに小さかったっけ。 「…なんだ」 視線に気づいたのか、淋が眉にシワを寄せて言う。 ――ま、いいか 「なんでもない」 俺はそう思いながら家に入った。