紅蓮の鬼





――モヤモヤして気持ち悪い。


こんなの俺じゃないみたいで。


気持ち悪い。


俺は半ばぼやけている視界で淋を見る。


容姿も性格も体つきも、全然俺好みじゃないはずなのに。


こんな風に、変に俺を思わせるコイツは何なんだろう。


「……………………」


これも鬼の持つ力なのだろうか。


俺は淋に背を向けて目を瞑る。


さっきまでそんなに気にならなかった淋の規則正しい寝息も、ひどく耳障りなような気がした。


「…………………」


モヤモヤが苛立ちに変わる。


何なんだ、本当。


苛つく。


この世界も、淋も、俺自身も。