彼女はそう言ってまた瞼を閉じた。 俺は彼女が置いた手を敷布団の上に置いて、淋の涙を乱暴に拭った。 「……………」 余程疲れているらしい。 それから朝になるまで淋が目を覚ますことはなかった。 あんな顔を見たのは初めてだった。 あんな顔もするのだと思って、もしかしたらあんな顔は俺しか見たことないんじゃねーの、とも考えた。 ……けど、淋。 ――俺は〝イグサ〟じゃない