紅蓮の鬼





「……ン…」


淋が寝返りをうって、俺の方に体を向けた。


ビックリしたモンだから、さっきまでいた天使と悪魔は消えてしまう。


さっきの妙に色っぽかった声はきっと気のせいだ。


俺は自分にそう言い聞かせて、淋を見る。


何故か少し寂しそうな顔をしていた。


『淋のこと好きなんだろ?』


頭の中で、天使と悪魔が言った言葉がリピートされる。


「……………………」


何故か分からないけど、淋の目から涙が伝う。


……彼女の涙を拭いたいと思うのは、好きだからなのか?