「…マジかよ……」 俺は驚愕した。 俺が松谷の首を傷つけたのに、「その傷どした?」なんて聞いてしまった。 「…俺…」 「ワタシもお前に血を飲んでもらわんと困るんだ。南も飢えていたし…一石二鳥だろ」 松谷は「まぁ、そう気に病むな」 と、言ってまた遠くを見る。 「…ごめん」 俺は心から言った。 俺が魔界にいた時に、エサとして連れてこられた人間から聞いたことがあるけど、血を吸われるのはいい気分じゃないらしい。