「ヤツは危険だ」 唐突に男の鬼老院が言った。 ……よし、この人を鬼老院Aとしよう。 俺の右隣は淋、その隣が空木。 淋は目を閉じて、聞いていた。 ……つーか、〝ヤツ〟って誰? 「千秋はお前たちの手で殺しておけ」 「「!?」」 なんとなく、空木が息を飲んだのが分かった。 ――千秋を殺す、だと…。 じゃぁ、〝ヤツ〟は千秋だ。